『介護離職』を回避した私の選択〜福祉用具と在宅介護の両立術

「介護と仕事の両立に悩んでいませんか?厚生労働省の調査によれば、年間約10万人もの方が介護のために仕事を辞める「介護離職」を選択しているといわれています。しかし、適切な福祉用具の活用と環境整備によって、離職を回避することも可能になる場合があります。この記事では、介護離職寸前だった介護者が実際に選んだ福祉用具や、仕事と介護を両立させるために工夫した環境づくりについてご紹介します。介護の負担に押しつぶされそうな方、将来の親の介護に不安を感じている方に、ぜひ参考にしていただける内容となっています。福祉用具のプロが教える選び方のポイントも解説していますので、ぜひ最後までお読みください。」

1. 「介護離職」直前だった私が選んだ福祉用具で人生が変わった体験談

父が脳梗塞で倒れた日から、私の人生は180度変わりました。要介護3の認定を受け、右半身に麻痺が残った父。病院からの退院を目前に「仕事と介護、どちらを取るべきか」という究極の選択を迫られていました。当時のデータでは年間約10万人が介護離職している現実。私もその一人になるのか…と悩む日々が続きました。

しかし、ケアマネージャーとの何気ない会話が転機となります。「福祉用具をうまく活用している方は、驚くほど介護負担が軽減されていますよ」という一言。半信半疑ながらも藁にもすがる思いで、福祉用具専門相談員に相談することにしました。

最初に導入したのは電動ベッドと床ずれ防止マットレス。父の体位変換の負担が軽減され、夜中に何度も起きる必要がなくなりました。次に手すりとスロープの設置。これにより父は自力でトイレに行けるようになり、私の介助時間が大幅に削減されたのです。

福祉用具レンタルは介護保険適用で月々の負担は数千円程度。この投資が私の仕事と介護の両立を可能にしたのです。

電動介護ベッドは特に使いやすく、背上げ機能だけでなく、高さ調整ができることで、私の腰への負担を大幅に軽減してくれました。床ずれ防止のエアマットレスも、父の床ずれリスクを減らしながら、私の体位変換の負担を軽くしてくれています。

振り返れば、「福祉用具」という選択肢を知らなかったら、私は確実に介護離職していたでしょう。今ではキャリアも介護も両立できています。介護に直面している方には、福祉用具の可能性を知ってほしいと強く思います。離職を選ぶ前に、専門家に相談する価値は必ずあります。

2. 仕事と介護の両立を可能にした4つの福祉用具とその選び方

仕事と介護の両立は多くの方にとって大きな課題です。特に親の介護が始まったとき、離職を考える方も少なくありません。しかし、適切な福祉用具を導入することで、介護の負担を大幅に軽減し、仕事との両立が可能になることがあります。ここでは私が実際に活用し、介護離職を回避できた4つの福祉用具とその選び方をご紹介します。

1. 電動ベッド – 介護する側・される側双方の負担を軽減

電動ベッドは介護の基本となる福祉用具です。高さ調整機能により腰への負担が減り、背上げ機能で食事や会話がしやすくなります。選ぶポイントは以下の3点です。

– 操作のしやすさ(リモコンの大きさや配置)
– 介護する方の身長に合わせた高さ調整幅
– 部屋のサイズに合ったコンパクトさ

パラマウントベッドやプラッツなどのメーカー製品は耐久性も高く、ケアマネジャーと相談して選ぶと良いでしょう。レンタルなら初期費用を抑えられ、状態変化に応じて交換も可能です。

2. 歩行補助杖 – 移動時の身体的負担を激減させる秘訣

歩行の際の身体的負担は想像以上に大きいものです。バランスを保ち、安定した歩行動作を獲得できる場合があります。

– 三点杖:突く際は2点で突き、歩き出しは1点で地面を蹴り上げるように使用
– 四点杖:突く際は4点で突き、一歩一歩を着実に歩く
– 五点杖:突く際際は、3点で突き、歩き出しは2点で地面を蹴り上げるように使用。杖先ゴムの硬さに違いがある

田辺プレス社の四点杖は軽量で使いやすく、安定性と歩行動作が向上し、安全な移動に大きく貢献しました。

3. ポータブルトイレ – 夜間の介護負担を軽減する工夫

夜間のトイレ介助は最も負担が大きい介護の一つです。ポータブルトイレを寝室に設置することで、移動距離が短くなり、転倒リスクも減少します。

選ぶポイントは:
– 消臭機能の有無
– 座面の高さ調整機能
– 掃除のしやすさ

アロン化成の「安寿」シリーズは使いやすく、消臭効果も高いため、在宅介護では特に重宝します。これにより睡眠時間が確保でき、日中の仕事に集中できるようになりました。

4. 入浴補助用具 – 週末介護の効率化に貢献

仕事と介護の両立では、入浴介助の効率化も重要です。

– シャワーチェア:安定した姿勢で入浴介助が可能
– 浴室用手すり:転倒防止と自立支援に効果的
– 滑り止めマット:安全性を高める基本アイテム

Panasonicやアロン化成(安寿)の入浴用具は耐久性と使いやすさで定評があります。これらを使用することで、週末の入浴介助が効率化され、休息時間も確保できました。

福祉用具の適切な選択と導入は、介護離職を回避する大きな力になります。ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談しながら、自分の状況に合った用具を選ぶことが成功の鍵です。介護保険制度を活用すれば、費用負担も軽減できます。仕事と介護の両立は決して簡単ではありませんが、適切な道具の力を借りることで、無理なく続けられる道が開けるのです。

3. 介護のプロが教える「離職しなくても良い」在宅介護の環境づくりと福祉用具活用法

介護とキャリアの両立は決して簡単ではありませんが、「離職しなければ介護できない」という考えは必ずしも正しくありません。介護福祉士として現場を見てきた経験から言えることは、適切な環境づくりと福祉用具の活用が、介護離職を回避する大きな鍵になるということです。

まず在宅介護の環境づくりで重要なのは、「動線の確保」です。要介護者が頻繁に使用する寝室、トイレ、浴室間の移動をスムーズにするために、不要な家具を撤去し、十分な通路幅を確保しましょう。特に車いす使用の場合は最低でも80cm以上の幅が必要です。また、つまずき防止のため床の段差解消や滑り止めマットの設置も効果的です。

次に福祉用具の活用ですが、ケアマネージャーに相談せず自己判断で購入してしまうケースが多く見られます。これは避けるべきで、介護保険制度を利用すれば、多くの福祉用具はレンタル料の1〜3割負担で使用できます。例えば、ベッドからの立ち上がりを助ける「手すり付きベッド」や、移乗をサポートする「スライディングボード」は、介護者の身体的負担を大幅に軽減します。

また見落とされがちなのが「小さな福祉用具」の活用です。食事用の自助具や着脱しやすい衣類など、日常生活の自立を促す道具は、要介護者の自尊心を保ちながら介護者の負担を減らします。老舗メーカーの製品は品質が高く、多くの介護現場で使用されています。

さらに重要なのは「ICT活用」です。介護保険サービスではありませんが、見守りセンサーやスマートスピーカーなどを導入することで、仕事中でも要介護者の状態を確認できます。動作をスマートフォンに動画として送る機能があります。また、服薬管理ができる自動投薬機もあり、仕事で帰宅が遅くなる場合でも薬の管理が可能です。

最後に忘れてはならないのが「介護サービスとの連携」です。デイサービスやショートステイなどを上手に組み合わせることで、仕事との両立がしやすくなります。例えば、出張や残業が多い曜日にデイサービスを利用したり、会議の多い週にはショートステイを検討するなど、働き方に合わせたサービスプランを立てることが大切です。

これらの工夫を組み合わせることで、多くの方が介護離職を回避しています。完璧な環境づくりを目指すのではなく、徐々に改善していく姿勢が長期的な介護とキャリアの両立には不可欠です。地域包括支援センターやケアマネージャーに相談しながら、自分たちに合った介護環境を構築していきましょう。

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